最終更新: linguistudent 2021年02月15日(月) 15:52:03履歴
受影物と発生物の弁別テストは、他動詞の目的語が、いかなるタイプの行為対象であるかを判別するためのテストである。
大区分 | 小区分 | 類型 | 対象言語 | 水準 |
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意味・語用 | 語彙意味論 | 切り貼り型 | すべて | 基礎 |
a. John ruined the table.(a)を擬似分裂文に言い換えた(c)は自然であるが、(b)を擬似分裂文に言い換えた(d)は非文である。
b. John built the table.
c. What John did to the table was ruin it.
d. *What John did to the table was build it.(Fillmore 2003:27-29)
ある他動詞文(NPSbj V NPObj)に対して、What NPSbj do to NPObj is V it. という擬似分裂文を作る。それが自然であれば、もともとの行為対象 NPObj は受影物( affectum )であり、非文であれば、発生物( effectum )である。
他動詞句は、その目的語が、当該行為に先んじて存在し、当該行為によって何らかの影響を受ける対象(受影物)である場合と、当該行為によって初めて存在を生じる対象(発生物)である場合とがある。これらは、ある種の擬似分裂文( What NP do to NP is V it. )への生起可否が異なり、対象ないし事象として意味論的に区別できる。
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