言語学の論証方法のひとつである、文法性テスト(容認性テスト、言語テスト)を様々な研究領域から集める、あるいは新たに提案するためのWikiです。

物形容詞と場所形容詞の弁別テストは、形容詞が物の属性を述べるものであるか場所の属性を述べるものであるかを判別するテストである。

大区分小区分類型対象言語水準
意味・語用語彙意味論言い回し型日本語基礎

概要

観察

a. これは白い.
b. *ここは白い.
c. *これは暗い.
d. ここは暗い.
(久島 1998:1)
「白い」は、(a)のように「これ」の述部になれるが(b)のように「ここ」の述部にはなれない。一方、「暗い」は、(c)のように「これ」の述部になれないが(d)のように「ここ」の述部にはなれる。

判定

任意の形容詞について、「これ」と共起できればそれは物形容詞、「ここ」と共起できればそれは場所形容詞である。

解説

日本語の形容詞はその叙述の対象が物か場所かという観点で分類できる。色彩形容詞は前者の例、明暗形容詞は後者の例である。

表現形式

判別辞
「ここ」、「これ」等の代名詞
被判別辞
任意の形容詞

応用

-

参考文献

  1. 久島茂. 1998.「明暗・色彩形容詞の意味体系―≪物≫と≪場所≫の対立―」『国語国文』67(4): 1-16.

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