最終更新: linguistudent 2021年02月15日(月) 17:41:55履歴
図地の言語化テストは、モノ同士の位置関係を描写する文を用いて、場面における図と地の認知が言語化の自然さとして反映されることを指摘するためのテストである。
大区分 | 小区分 | 類型 | 対象言語 | 水準 |
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意味・語用 | 認知意味論・認知文法 | 言い回し型 | すべて | 基礎 |
a. The bike is near the house.(a)は、近接関係を述べた表現として自然であるのに対し、名詞句を入れ替えた(b)は不自然である。
b. ??The house is near the bike.(Talmy 2000:314)
認知文法では、人間の一般的な認識のしくみから言語のありようを説明することが目指される。上の例では、the bike と the house の近接関係をごく単純に表した(a)に対して、それら項を入れ替えて同じ場面を描写しようとすると、(b)のように論理的あるいは統語的には問題がないにもかかわらず極めて不自然な表現となってしまう。この自然さの差は、場面の言語化が図地認識と合うような形で行われることを示しており、認識のメカニズムが言語を決める例とみなすことができる。
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